【東京バレエ団の秀逸なる『ジゼル』全幕公演】 〜矢島まいの舞台鑑賞レビュー〜Ballet Studio Garden
【東京バレエ団の秀逸なる『ジゼル』全幕公演】
〜矢島まいの舞台鑑賞レビュー〜
皆様、こんにちは♪
Ballet Studio Garden代表の矢島まいです。
私がはじめて本格的なコール・ド・バレエを踊ったのは
学生の頃の『ジゼル』でした。
東京バレエ団に入団してからも、もっとも多く出演した
作品の一つですし、雑誌クロワゼ「大人のためのバレエ企画」として
コール・ド・バレエの演出、振付、指導をした経験もあり、
私にとっては非常に思い入れが強い古典作品です。
バレエ団の監督や先生方、一緒に踊る先輩達には
たくさん指導していただきましたし、
初役の頃は、それはもう毎回緊張して本番を迎えていたのを
今でも思い出します。
【息の合った調和】
東京バレエ団のダンサーたちが織り成す絶妙な演技の世界
先日、東京バレエ団の『ジゼル』全幕公演を観てきたのですが、
まず、日々進化している主役、ソリスト陣には胸が躍りました。
一人ひとりの技術はもちろん、役作り、演技の掛け合いも
観ていて気持ちが良く、物語の世界へ自然に入り込めました。
そのソリスト陣を取り囲む第一幕のダンサーたちの息の合った
動きや演技は、まさに絶妙な調和です。
主役たちの存在を活かすための演技が一貫していて、
彼らの若さ溢れる動きの中には、技術だけではなく、
共感や連帯感が感じられ、
見ているだけで心が踊りだすような気持ちになりました。
第2幕のウィリー登場の演出にはベールを使った
サプライズシーンがありました。
私が出演していた時にはなかった演出で
ウィリーたちが一斉に目覚めて、美しく動き出す様子を
さらに強調するポイントになっていました。
舞台上のダンサーたちが一糸乱れぬ踊りと動きで、
まるで一つの存在となっている様子は感動的でした。
私は普段、ダンサーや教師の目線から作品を見てしまうことが多いのですが、
今回はお客様として作品にしっかりと没頭することができました。
主役とソリスト、そして群舞それぞれの存在感が
秀逸なる相乗効果を生み出した…そんな素晴らしい舞台空間でした!
久々に『ジゼル』の世界観にどっぷり浸って、
心の奥深くまで引き込まれた感覚です。
そして、次世代ダンサーたちによる柔らかさと強さ、踊りの安定感、
役柄を表現するエレガントな動きには目を奪われました。
【舞台から伝わる感動】
東京バレエ団が描く「心を動かす芸術」の可能性
東京バレエ団のパフォーマンスは、ただ技術を見せるだけでなく、
物語の魅力を存分に伝える力がありました。
今回の公演で私は、バレエの醍醐味を改めて感じられました。
舞台上のダンサーたちが創り出す美しい世界に触れ、
さらにバレエという芸術の可能性に気付かされました。
より自然体に美しく…
バレエと向き合う自分時間をとして、
内面からも美しくなるためのアプローチとしても
私は、東京バレエ団の公演鑑賞をおすすめします。
〜矢島まいより〜